鉄の時間 アートの始まりは赤や茶色や黄色の酸化鉄、すなわち自然が与えたオーカーで描いた洞窟壁画である。 土に火の力を加えて鉄を取り出すことを知った人間は、やがてあらゆる種類の道具や武器を作りはじめ、 いまある文明を生むにいたった。 港千尋「鉄の時間」より 2006年、ヴェネチアビエンナーレの前年、このかつてキューポラが稼働していた空間の鉄の床をフロッタージュし、 炎の映像とともに、その場に展示しました。 ヴェネチアビエンナーレに出品した宇品のブラットホームのフロッタージュ用紙と同寸のキャンソン紙に記された OKABE MASAO FROTTAGE PROJECT 川口を舞台とした『キューポラのある街』という映画があった KAWAGUCHI ART FACTORY.KAWAGUCHI 2006 火と水にさらされ激しく反応した鉄の表情が定着されています。 鉄の時間、日本の近代化への時間、鋳物の街川口の時間、そこに触れた時間が綴られています。 ほぼ100点が、10年の時を経て元の場所に戻り空間をつくります。 岡部昌生 日時:2018年2月9日(金)〜3月11日(日) 11:00〜19:00 火曜定休 入場無料 場所:KAF GALLERY(ART RESIDENCE KAWAGUCHI 1F) ギャラリートーク:岡部昌生×港千尋 2月10日(土)15:00〜17:00 オープニングパーティー17:00〜 |
39artの日参加: 3月9日は21:00まで開廊(ルンドガング) 17:00以降お越しの方にワインを一杯サービス。 3月10日は川口のアートスペースを巡る、カワグチ39artツアー参加。 |
岡部 昌生 OKABE Masao 1942年北海道生まれ 日本の現代美術家。 記憶や歴史の痕跡をテーマにした、フロッタージュ作品や土によるドローイングなど、 大がかりなプロジェクトで国際的に知られる。 1980年代後半より広島の原爆の痕跡を作品化するプロジェクトを開始。 現在も継続的に広島や福島といった都市に関わり続けている。 コラボレーションやワークショップも積極的に実施している。 主な展覧会に「ART for the SPIRIT永遠へのまなざし」(北海道立近代美術館、2001)、 「シンクロニシティ同時生起」(広島市現代美術館、2005)、 第52回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館「わたしたちの過去に、未来はあるのか」(2007)、 「タスマニアのヒロシマ」(MONAタスマニア、2011)、「南相馬の記憶と記録」(南相馬市、2013)、 札幌国際芸術祭2014企画展示「都市と自然」(北海道立近代美術館)。 |
港 千尋 MINATO Chihiro 1960年神奈川県生まれ。写真家・著述家。 多摩美術大学美術学部情報デザイン学科教授(映像人類学)。早稲田大学政治経済学部卒業。 2013年より国際交流基金国際展事業委員を務める。 群衆や記憶など文明論的テーマをもちつつ、研究、作品制作、展覧会、出版、キュレーション等、 幅広い活動を続けている。 著作『記憶−創造と想起の力』(講談社/1996)でサントリー学芸賞、 展覧会「市民の色」で伊奈信男賞を受賞。 2006年に釜山ビエンナーレ共同キュレーターを、2012年に台北ビエンナーレ共同キュレーター、 2007年にはヴェネツィアビエンナーレ国際美術展日本館のコミッショナー、 2016年にはあいちトリエンナーレ2016の芸術監督も務めた。 |